特別企画!
保村真さん/加藤将之さん
「スカルマン」スペシャルインタビュー
2007/06/05 ジェネオン エンタテインメント会議室にて
11話までの収録を終えた
御子神隼人役:保村真さん、神崎芳生役:加藤将之さんにお話を伺いました。
■■:今日は「スカルマン」のシリーズ全体について、お二人の役柄について等いろいろ伺います。どうぞ宜しくお願い致します。
保村/加藤:はい、宜しくお願い致します。
保村:実は隼人と神崎は絡むシーンとしては決して多くはないんですよねえ。
隼人の絡みは相棒の霧子がメインですからね。
加藤:ふふふ、そうですね(笑)。意外ですよね。
絡むシーンは少ないですが、そのどれもが重要なシーンです。
隼人と神崎の関係は密度が濃いですからね。
■■:さて、シリーズ「スカルマン」が始まるにあたり、お二人は何か心がけたことなどありますか?
保村:僕なんて、まだまだひよっこですからねえ、現場ではいつも自分が一番新人だと思っています。だからいつもしっかり準備をし、精一杯やるだけです。
「スカルマン」の現場はスタッフさん、共演者の方々、皆さんがしっかり受けてくれますから。すごく安心感がありました。
事前に台本を見ながら声をあててみたりもしますが、スタジオに行くと全く別な表現ができるんですよ。「あれっ、俺、こんな演技できちゃったよ!」って。
それも共演の皆さんのおかげですね。一人だとそうはいきません。
加藤:僕自身も同じ経験があります。スタジオに皆で集まって収録をする、声を入れるという作業はそういうことなんだと思いますよ。もし効率性だけを追うのであれば、皆、空いてる時間に別々に収録すればよいのですから。製作のスタッフさんや出演者が一同に会してアフレコを行うということは、足し算ではなく、掛け算の作業なのだと思います。
■■:ご自身の役柄について一言お願い致します。
保村:御子神隼人は本当にアツイ奴です。バイタリティがあって、まず行動!アクティヴですよね。思慮深くないところがいいですね(笑)
実はそこが作品をご覧になった方の共感を呼ぶと思います。
とても人間くさい、というか。
年下ですがコンビを組んでる霧子の方がしっかりしている部分もありますよね。
加藤:僕が演じた神崎芳生は一言でいうと、とても真面目な男ですね。
今回の「スカルマン」の中で神崎がとった行動はすごく大胆なんですが、
実は神崎自身もそれが正しいことなのかどうか、絶えず「迷い」があったように思います。真面目ゆえ、一人で抱えすぎるきらいがありますね。
同時にその思い込みも深い、というか。
「スカルマン」という作品の中の苦悩担当、という感じでしょうか(笑)
隼人ともう少し早く再会できていたら、神崎の人生も別なものになったのでは、とも思います。
■■:今、悩み多いという話が出ましたが、神崎芳生は「スカルマン」のキーになるキャラクターですので、もう少し詳しくお聞かせ下さい。
加藤:しごくまっとうで真面目。
そんな神崎が「仮面」の力を手に入れた事で翻弄されてしまった。
別の言い方をすると力に溺れてしまったともいえるでしょうね。神崎自身も最後まで自分の行動の整合性がとれていたのかどうか。
保村:いやあ、さすが!神崎芳生役。思慮深い分析です。
加藤:つい真面目に答えましたが、ヤスさん、ひやかさないように!(笑)
■■:演じてる時はいかがでした?
神崎は実はスカルマンという事を意識しながら演じていたのでしょうか?
加藤:いえ、それはありません。「スカルマン」は確かに謎や意図的なミスリードが多い作品ですが、シーンごとの心情としてはあくまで神崎芳生個人ですね。
■■:「スカルマン」には他にも魅力的な登場人物が出てきます。
他に気になるキャラや個人的な思い入れのある登場人物はいましたか?
保村:僕は、立木かなあ。
ああいう年配のキャラクターが活躍をするのは本当に格好良いです。
立ち振る舞いも洗練されてますよね。颯爽としていますし。
加藤:確かに立木は格好良かった!単なる復讐者という立場ではなく、実はいろんなバックグラウンドがありますよね。立木を題材にして、お話がもう一本作れてしまうかもしれませんね。
■■:「スカルマン」は全13話のシリーズですが、謎を解明する為の重要な台詞やシーンが随所にありました。印象に残ってる台詞とかありますか?
加藤:10話で、神崎が徹郎と麗奈に「覚悟はいいね」と言うシーンがあって、このあたりから物語がグンとスピード感が増しますよね。
保村:そうですね。その後、11話で教会の隠し部屋で隼人と神崎は対峙しますが、そのシーンはこの物語のハイライトシーンのひとつだと思います。隼人は奈美姉の死を受けての流れなので、一言では表せない色々な思いがあったと思います。ずっと追いかけてきた骸骨男(スカルマン)がこんな身近にいたのか、ってこともあるでしょうし。この「覚悟はいいね」という台詞、神崎がスカルマンであることが特定されるシーンで、実はすごく重要な台詞ですが、さりげなくて好きです。
■■:あの教会の隠し部屋での神崎は放心してるというか、既に達観した感じでしたよね。
加藤:神崎の体そのものは「仮面」のせいで、もうぼろぼろですね。
遅かれ早かれ隼人にはスカルマンの正体を明かすつもりだったのだと思います。
あの隠し部屋でのシーンも隼人が来ることを見越して麗奈を外で待たせていましたし。
■■:あのシーンはよく練られた繊細な演出です。
隠し部屋に通されるのは隼人だけですから。
隼人、霧子、新條の3人でのシーン。出迎えた麗奈が新條と霧子へはこちらでお待ちを、と隼人と意識的に切り離しますからね。
保村:あの二人も隠し部屋に行ったらえらい事ですよね。
熱血漢の新條だったら神崎に手錠くらいかけちゃったかもしれませんね(笑)
加藤:そうそう、そこで更に1パート必要になっちゃう(笑)
■■:11話は役者さん的にも見せ場の多い回だったと思いますが、アフレコに臨むお気持ちはいかがでしたか?
保村:僕はですねえ、奈美姉のことがひっかかっていましたねえ。切ねえ流れだなあって。前に河原でほのぼのしたシーンを演ってますからね。
加藤:神崎が既に覚悟ができてるところでの芝居だったので、ある程度のイメージをもって本番に望めました。仮面のシーンだけは当日の流れを掴みながら進めようと思っていました。あの仮面を隼人にだけは渡してはいけない訳です。そこのニュアンスだけ見失わないようにと。本番ではヤスさんがいい芝居してきましたからね、僕も触発されました。
■■:さて、ここから怒涛の12、13話と続くわけですが。
サークスのミサイルが打ち込まれ、教会での戦闘シーンへと続きます。
隼人と神崎の別れのシーンもありますね。
保村:戦いが終わってスカルマンがガレキの中の神崎を発見するんです。
ガレキをどけて神崎の最期を看取ることになります。
■■:そのシーンは顔の芝居ではなく、秀逸な手の芝居になっていますね。
隼人の「行くな、芳生!」。神崎が力尽きて、すり落ちる腕を隼人が掴み返す。戦闘シーンの後、強い友情で結ばれていた二人だからこそ成り立つシーンです。
保村:これまで神崎スカルだったのが、ここから隼人スカルになる瞬間ですね。
加藤:隼人が仮面をかぶっているのを見て、神崎が「僕が導いてしまったのか」という台詞が最期の言葉になります。まだ収録前ですがこのシーンは楽しみですね。神崎の隼人への気持ち。この「業」の連鎖は断ち切らねば、という想いを持ちながら、神崎は逝ってしまうんです。
■■:ところで、少しだけ話題は変わりますが、スカルマンになると何故、土田大さんの声になるのか、と疑問に思うファンの方もいらっしゃるかもしれません。あれはスカルマンの設定で仮面の顎の部分に変声器が付いてるんですね。仮面を被るとすべからく、被った者の声質が変声されてしまう。
保村:12、13話は全て土田さんにお任せになるはずです。後半の隼人は全てスカルマン化しているわけですから。ただ、一番最後のスカルマンのキメの台詞は僕が入れさせていただくはずですヨ。よかったです、言わせてもらえて(笑)。最終回で台詞無かったら切な過ぎますからね(笑)
加藤:ラストシーンは隼人としての台詞ですからね。
あるのは当然ですよ。ヤスさん、大丈夫(笑)
■■:それにしても隼人という主人公は一作品としては三人の声で変遷しますね御子神隼人役としての保村真さん、スカルマン化した土田大さん、
そして!衝撃のラスト、若本規夫さんのブレイン・ギア総帥。
保村:そうですね。ご覧になった方はびっくりすると思いますよ、きっと。
■■:まだ2話分の収録が残っていますが、一足早いですが物語を総括して
一言お願いします。
保村:「スカルマン」は昨今にない芯の通った男らしい作品ですよね。
監督をはじめスタッフの皆さんの熱い情熱の作品に関われて幸せでした。
僕の役者人生の中でも特別な一本になりました。主人公の御子神隼人はアツイ男ですが、人間の暗黒面も持ち合わせている。
一見単純ですが実は奥行きのあるキャラクターでしたね。
■■:そうですね。よく考えたら隼人は神楽辰男ですからね。
背景には確かに黒い影が差し込んでいます。
さて、加藤さんはいかがでしょうか?
加藤:僕も「スカルマン」のような硬派な作品に出演できて嬉しかったです。
説明台詞でストーリーを進めるのではなく、キャラクターの演技やシーンの描写ひとつひとつに意味があります。かなりガチンコな作品です。どれだけ時間が経過しても色褪せない作品だと思いますね。そんな作品にめぐり合えて幸せに思います。
保村:いわゆる「萌え」テイスト作品も勿論、僕も好きですが、でも、たまにはこうしてひとつひとつの台詞の意味を考えたり、物語全体のうねりを味わう作品もいかがですか?という気持ちですね。
■■:「スカルマン」の製作の裏テーマとして、よく引き合いに出されるのは、もりたけし監督がおっしゃるところの「抗い(あらがい)」という言葉です。この時期にこのような「強い作品」を製作するプロセスも、もうひとつの「スカルマン」ストーリーな訳です。保村さん、加藤さん、この後、12、13話のアフレコもどうぞ宜しくお願い致します。本日はお忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。
保村:こちらこそありがとうございました!
今日はネタバレを気にしないでよかったから、いろいろしゃべっちゃいました。
「スカルマン」の事を語るのは結構大変です。
ネタバレ厳禁でしたからね(笑)
加藤:そうですね。「スカルマン」の事を語る時はしっかり集中しないと。
保村:なんたってガチンコな作品ですから(笑)
一同:そうそう(笑)
■■:本日はありがとうございました!

